REPORT

はこだて海藻アカデミー キックオフセミナー開催

もりだくさんのプロジェクト!君の興味を引きつけるものは?

一般社団法人 海藻文化振興会は、2025年5月25日(日)、中高生を対象とした体験プロジェクト「はこだて海藻アカデミー」の初のイベント「キックオフセミナー」を開催しました。「日本一の海藻の街はこだて」ならではの取り組みとして、海藻に対する学びを深め、未来の海を創造することをテーマに、今後3つのプログラムを連続的に開催します。今回のキックオフセミナーでは、対面とオンライン合わせて35名が参加する中、地元ミュージシャンによるミニライブや専門家からの基調講演をいただいた後、今後展開する3つのプロジェクトの概要やスケジュールなどを説明しました。本プロジェクトは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐことを目的とした日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として実施してまいります。

■第1回「キックオフセミナー」のあらまし

【ミニライブ】セミナーの開会に先立ち、世界で唯一!の「おさかな専門シンガーソングライター」齊藤いゆさんから、楽しいトークとおさかなソング2曲をご披露いただきました。会場内に澄みわたる豊かな歌声とグレッチの音色…応援に駆け付けてくれた「がごめ昆布PRキャラ・ガゴメマン」とともに、間近でしみじみと堪能させていただきました!

 

【基調講演「海藻の生態と役割を知る」北海道大学名誉教授 安井肇先生】

安井先生から、昨今の地球環境の変化への対応に向けて、海藻の二酸化炭素吸収源としての役割(ブルーカーボン)が大いに注目されていることなどについて、詳しくお話をいただきました。また、昆布の種類や特性に応じた様々な活用例などをお聞きしたほか、参加者に対し、昨今のウニによる昆布の食害拡大とその対策などについて、「今回のプロジェクトを通じて考えていこう」とエールを送っていただきました。

 

【マコンブ・早採りマコンブ・ホソメコンブ・ガゴメコンブ…食べ比べ】

4種類の昆布を食べ比べて、それぞれ大きく異なる旨味や特長を知りました。「一番おいしかったコンブは?」との問いに、参加者の皆さんの見解は…ひとつに集中することなくぴったり4種類に分かれました。また、安井先生が開発した「北大ガゴメ」の生コンブを実際に触ってみて、そのネバネバ感を驚きとともに体験しました。

 

【3つのプロジェクトの概要説明】

①海藻と環境プロジェクト(2025/7/5-6)奥尻町1泊2日で開催

奥尻高校の生徒さんとも交流し、一緒にブルーカーボン調査などを行います。

②コンブの危機を救えプロジェクト(2025/8月~3月)

天然昆布の減少傾向に歯止めがきかない状況を踏まえ、昨今取り組まれている増産策などを体験しながら学ぶプロジェクトです。昆布干しの実体験や種苗センターの視察、実際に昆布の種苗を育成する実験、また郷土料理コンクールの審査員体験など盛りだくさんの内容です。

③ビジネスグランプリを目指せ!(2025/6/15~2月)

日本政策金融公庫 薮下様から、同公庫が主催する「高校生ビジネスプラン・グランプリ」の概要や参加するうえでのポイント、そして同グランプリへの参加を通じて今日、大きく羽ばたいたTimeeの小川社長などもご紹介いただきました。

 

【参加者の感想】

結びにあたり、参加者の皆さんから感想などを一言、いただきました。

・安井先生の講義を聞いて、地球温暖化を抑制するうえでの昆布の役割などを改めて確認できました。今後のプロジェクトへの参加を通じてより深く知りたいです。

・3年前に奥尻島での昆布のプロジェクトに参加しましたが、それから3年経った現在の奥尻の姿が気になっていたので、あらためて奥尻のこと、昆布のことを探求してきたいと思っています。

・今、環境面で二酸化炭素が問題になっていますが、安井先生の「昆布が二酸化炭素を吸着する」というお話を聞いて、昆布はすごい、地球にいいことがたくさんあると知り嬉しく思いました。

・昆布を初めて食べ比べてみて、種類によってこんなに食味が違うのか…と驚きました。この「差」を知っている人は少ないと思われますので、もっと真昆布の魅力を伝えていきたいと思いました。また、昆布漁の従事者不足など問題の解決にも取り組んでみたいと思っています。