はこだて海藻アカデミー
Report

はこだて海藻アカデミー 活動報告

2026年7月25日【海藻ピッチ体験・中間発表】

掲載日:2026年07月31日

はこだて海藻アカデミー 海藻ピッチ体験 中間発表開催

一般社団法人 海藻文化振興会は、次世代を担う若者を対象に「はこだて海藻アカデミー海藻ピッチ体験・中間発表」を開催しました。より深い海藻の知識を求めるユース世代に学びの機会を提供し、支援する「海の人づくり」。ユース世代が地域課題に向き合う姿が世代を超えたメッセージとなり、未来の豊かなまちづくりの原動力になることを目的としています。全国から高校生チームにご参加いただき、チームの仲間と考え、伝え、挑戦し、発想力と伝える力を育てる実践プログラムします。フィールドワークや探究、発表を通して、新しい海藻の可能性に挑戦していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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はこだて海藻アカデミー2026「海藻ピッチ体験・キックオフセミナー」

・日程/2026 年7月25日(土) 10:00〜12:00

・開催場所/函館市臨海研究所およびZOOMミーティング

・主催/一般社団法人 海藻文化振興会

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【海藻ピッチ体験・中間発表 開催の挨拶】

開催にあたり、事務局の布村より開会の挨拶させていただきました。

「皆さん、本日は、お集まりいただきありがとうございます。春のキックオフセミナーから各地で、現地調査や専門家のお声を聞いていただいたと思います。一旦、まとめた成果を元に、どんな企画を作るのか方向性について、発表していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。まだ始まったばかりですので、他のチームの意見やアイデアを参考に、最終12月の発表会に向けて、いい企画を立てられる様に、より良いものができるように、ご参加いただければと思います」とエールが送られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【基調講演「北海道の海の現状について」株式会社WMI 伊藤慶子氏】

講演では、伊藤氏の経歴や取り組んでいる事業について、お話をいただきました。経歴は、北海道大学水産学部を卒業後、北海道庁にて水産専門職として約20年間勤務し、水産行政に携わられていました。その経験を礎に、現在は株式会社WMIの代表として、北海道の海域保全と海藻(特に昆布)の再生に取り組む事業を行っております。北海道の海は広大で資源に恵まれている一方、近年は昆布やウニをはじめとする海産資源の減少が顕著とのこと。温暖化や生態系の変化により磯焼けや有害生物の被害が増え、漁獲量の減少や生産の不安定化が進んでおり、地域の産業と暮らしに深刻な影響を及ぼしていることを紹介いただけました。実践例として、北海道内での藻場再生事業、ウニの密度調整による藻場回復の試験、漁師主体のモニタリング活動の推進などをご紹介いただきました。産業側との連携も進めております。企業版ふるさと納税の活用や、企業との共同商品開発(化粧品、食品、環境配慮型素材等)、販売連携による収益の一部を保全活動に還元する仕組みづくりを実践しているそうです。教育面では、子どもたちが主体的に海に触れ学べるプログラムとして、廃棄原料を活用した分解性の粘土教材を開発し、海中への設置・観察を通じて循環や生態系の学びを提供しているそうです。学校授業や自治体連携、メディア・イベントでの実施により、次世代の海への関心を育んでいます。最後に、藻場再生は単独の活動では持続しにくいという現実がり、関係者が役割を持ち、共通の土台(藻場)を中心としたコミュニティを創り上げることが不可欠とのお話をされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【各チーム中間発表/奥尻チーム概要】

企画名は「コンブで地域をつつみコンブ!!~プロジェクトk~」開発した商品を島民や観光客の方に購入していただき、それを通じて奥尻が広がっていくことを願う思いが込めていますとのこと。「奥尻の無農薬わかめや細目昆布の資源を活かし、ふりかけと昆布だしのお茶漬けを開発したいと考えています。開発した商品で、観光促進と寮生の食改善を図りたいです。また、食品ロスや健康問題の予防にもつなげたい」と思いを語られました。試作や試食を重ねて、商品化に少し近づいている一方で、今後の展望として、まだ課題も多く、専門家の助言を得て改善を進める必要があるとお話をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【各チーム中間発表/宇和島チーム概要】

企画名は「守れ!宇和海~海藻の研究で宇和海の未来を創る~」。はじめに、「宇和島市の特徴として、真珠や鯛、ハマチなど養殖業が盛んで、特に鯛の養殖は、国内シェアの大きな割合を占めています。みかんも名産で、近年はみかんを活用したブランド魚の開発も進んでいます」とお話されました。地域課題についても、赤潮や磯焼け、少子高齢化で漁業人手不足と語られました。日振島・戸島・嘉島のフィールドワークも行い磯焼きが非常に激しいことを確認しました。住友大阪セメントと共同で、可能性を探ってみようとのこと。秋には、日本食研と海藻の商品開発にも取り組みたいなど、方向性が語られました。海藻を軸に、地域課題の解決を図るべく、ブルーカーボン研究、藻場再生、海洋デジタルツイン、スマート産業など、多角的に研究を進めたいとお話をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【各チーム中間発表/松前チーム概要】

企画名は「松前の未活用・低利用海藻でつくる新しい食品・スイーツ」。はじめに、松前町は海と海藻資源、歴史的資源に恵まれる町ですが、海藻資源が若者や観光客に十分知られておらず十分な活用がされてないとお話されました。春に、北大名誉教授の安井博士とフィールドワークで、おごのり、ウミゾウメン、間引き昆布など多くの海藻資源を見つけ、その可能性を確認しました。今後の方向性は、間引き昆布と函館の高品質ホワイトチョコを組み合わせた従来にない魅力あるスイーツ菓子を開発していきますとのこと。さらに、高校生ビジネスプランコンテストへの応募を宣言されました。地元企業(和洋菓子店、昆布加工業者)などと連携し、商品化を目指し、松前の新たな魅力として国内外へ発信したいと語られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【各チーム中間発表/壱岐チーム①概要】

企画名は「壱岐の海藻ポテンシャルを最大化する地域活性化」。はじめに、自分たちが長崎県の壱岐という島で暮らして、海がとても身近な存在ですが、海藻については食べるイメージしかなく、地域にどのような影響を与えているのかあまり考えたことがありませんでしたと話されました。特産物は、壱岐牛や新鮮な魚介類、焼酎などに、恵まれていますとのこと。今後の方向性は、2つあります。1つは、流れ藻から環境に優しい包装袋を作ること。2つ目は、リーフボール(海藻がつきやすい環境を作る人工の基板)で、海藻を増やし藻場の回復を実現したいとのこと。最終的には、壱岐の特産品に、環境価値をつけた形で、ブランディングをしていこうと取り組んでいきますと語られました。

 

【各チーム中間発表/壱岐チーム②概要】

企画名は「眠れる資源を価値へー壱岐の海の恵みをコスメにー」。はじめに、壱岐の紹介が語られました。古代から日本と大陸を結ぶ交易の要所で、新鮮海産物(ウニやイカ、ブリ、マグロ)、壱岐牛や焼酎なども有名とのこと。また、数多くの遺跡があり、およそ256から279の数の古墳が残っていると紹介されました。そして、地域課題としては、磯焼けと地球温暖化、ウニが海藻を食べること、人口減少を挙げられました。フィールドワークで、イルカパークの施設で、海藻を食べる魚が水温上昇で食欲が増して、海藻を大量に食べてしまうが、イルカがそれを餌することバランスが取れ、海藻を守ってくれていることを学んだとのこと。また、イルカの排泄物に含まれるリン酸などは、海藻の栄養となることから、イルカを生かした海藻養殖も知ることができたとのこと。今後の方向性は、海藻を利用した美容商品作りで、具体的には、海藻のネマネマを生かしたジェルまたはオイルクレンジングを作りたいと考えていますと語られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【各チーム中間発表/函館チーム概要】

企画名は「昆布の危機を救う!~海藻を活用した地域の未来基地~」。はじめに、地域の特徴として、南茅部を含む函館地域は海に囲まれ、昆布をはじめとする海藻資源が豊富で、国内の昆布生産量においては大きなシェアを占めています。縄文文化にも恵まれ、世界遺産地域や国宝も保有するポテンシャルは高いところです。ただ、人口減少や後継者不足により資源の価値が十分に活用されず、発信もされてない現状があると語られました。今後の方向性は、フィールドワークで、廃校や倉庫、道の駅、豊かな自然景観、さらに間引き昆布や昆布の根(ガニアシ)など未活用の資源を、昆布や縄文とも組み合わせ、新たな地域価値を創出したいと考えています。昆布を中核として、食・教育・研究・観光・発信・商品開発を統合する基地(未来基地)創りに取り組んでいきますと語られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【日本政策金融公庫 南さんよりコメント概要】

「皆さんが、調査・研究している内容は、人の心を打つものになると思いますので、どんどん写真とかも記録残しながら、取り組みを進めていただきたいなというふうに思います。海藻それから海に対する思いを感じられましたので、もしご興味ありましたら、日本政策金融公庫の高校生ビジネスプラングランプリもご応募よろしくお願いします」と話されました。

 

【環境まちづくり支援機構 角南さんよりコメント概要】

「私どもは、海藻を専門としているわけではないのですが、一昨年に藻場再生についての映画を見て、こんなすごい森のようなものが海の中にあったのかと、ジャングルみたいになって、いろんな魚の住処や産卵場所になっているというのを知って、これが消失していくことに問題意識を持った次第です。少しでも関与したいなと思っています」と語られました。

 

【北海道大学名誉教授 安井先生よりコメント概要】

「皆さま、素晴らしい発表をありがとうございました。全国からの参加もあり、それぞれの現地調査と具体的な発表内容は大変視座に富んでおり、心から感銘を受けました。長崎・壱岐のような島々は、海を祀る古い神社や長年にわたる海藻との関わりという独自の文化史を有していますので、関係を掘り下げれば、海藻資源の価値をより深く理解し、地域の魅力として発信する新たな発見につながることでしょう」と語られました。また、藻場回復の課題として指摘された草食性魚類の影響については、イルカなどの自然の捕食者や生態系全体の関係を踏まえた保全策が鍵とのこと。「宇和島や四国の事例にあるように、地域ごとの知恵を組み合わせることで回復が期待できます」と話されました。最後に、「プロセスを大切にすること」の重要性を語られました。「商品が売れることも大切ですが、資源調査・加工・地域連携・発信という一連のプロセスが育てば、商品は単なるモノを超え、生活や健康、地域愛をつなぐ価値となります。その循環が成立すれば、海も人も共に潤う持続可能な地域づくりにつながるはずです。皆さまの取組みにで、豊かな海と地域の未来を築いてください」と期待されました。